内部被ばく・外部被ばく・防護の原則を解説
被ばくには大きく2つの種類があります。
cocorad が表示するモニタリングポストの数値(空間線量率 μSv/h)は外部被ばくの指標です。内部被ばくは食品・水・空気中の放射性物質の濃度(Bq/kg・Bq/L)で別途評価されます。
放射線が人体に与える影響は「確率的影響」と「確定的影響」に分けられます。
| 種類 | しきい値 | 主な影響 | 発生の仕組み |
|---|---|---|---|
| 確率的影響 | なし(しきい値なし) | がん・遺伝的影響 | DNAに変異が起き、細胞が無秩序に増殖する。少量でも発生する確率がゼロにはならない(ただし自然発生のがんと区別がつかない程度に低い) |
| 確定的影響 | あり(しきい値以上で発生) | 皮膚障害・脱毛・造血障害・急性放射線障害 | 多数の細胞が一度に死滅し、臓器・組織の機能が損なわれる。一定の線量(しきい値)を超えた場合に発症する |
| 全身への急性被ばく線量 | 主な症状 |
|---|---|
| 〜 100 mSv | 通常は症状なし(リンパ球の一時的な減少が検出される場合あり) |
| 500〜1,000 mSv | 吐き気・倦怠感(30日以内に被ばくした場合) |
| 1,000〜2,000 mSv | 軽度の急性放射線障害(吐き気・脱毛) |
| 3,000〜5,000 mSv | 致死量(LD50/30日:50%が30日以内に死亡する線量) |
| 10,000 mSv 以上 | ほぼ確実に致死(中枢神経系障害) |
通常の生活環境では、これらの確定的影響が現れる線量を受けることはありません。日本の一般環境の空間線量率(0.02〜0.10 μSv/h)では、年間にしても数百μSv〜1 mSv程度です。
| 対象 | 年間被ばく限度 | 備考 |
|---|---|---|
| 一般公衆(追加) | 1 mSv/年 | 自然放射線・医療被ばくは含まない |
| 放射線業務従事者 | 50 mSv/年・100 mSv/5年 | 職業上の限度 |
| 妊娠中の女性(腹部表面) | 2 mSv(妊娠期間中) | 胎児への影響を考慮した特別な基準 |
| 緊急時の救助者 | 250 mSv まで許容 | 人命救助の緊急作業時のみ |
外部被ばくを低減するには以下の3原則が有効です。
原子力事故などで放射性物質が大気中に放出された場合の内部被ばく対策:
| 空間線量率の目安 | 推奨される行動 | 参考 |
|---|---|---|
| 0.10 μSv/h 未満 | 特別な対応は不要 | 日本の平常値の範囲内 |
| 0.10〜0.20 μSv/h | 状況を注視。長期間の定住は自治体情報を確認 | 花崗岩地帯・福島一部など自然・事故由来の高め |
| 0.20〜0.50 μSv/h | 長時間の屋外滞在を避ける。公式情報を随時確認 | 福島事故影響地域の一部(現状は多くが改善) |
| 0.50 μSv/h 以上 | 原則として当該地域への立ち入り自粛。自治体・国の指示に従う | 帰還困難区域(現状)など |
| 100 μSv/h 以上 | 即座に避難。自治体・消防・警察の指示に従う | 重大事故時のみ想定 |
cocorad は平常時のモニタリング情報を提供するサービスです。緊急時・異常値が検知された際には、必ず原子力規制委員会・自治体の防災情報・NHK等の緊急放送を最優先の情報源としてください。